君だけに夢をもう一度 15の心
失恋して竹中は家に帰ってきた。
失恋の傷手は大きい。

菜々子を好きだった気持ちの分だけ、あきらめることは難しい。
しかし、あきらめなければいけない。
恋とは残酷なものだと思いながら、泣きたい気持ちを抑えながら家に帰ってきた。

家に着くと、話があると母親が呼び止めた。

「試験だったら大丈夫。少し疲れたから寝る」
と、言って部屋に行こうとすると母親が引き止めた。

こんな辛い時は、ひとりになりたい。
めんどくさいことだと思いながらも、居間の方に行った。

すると、妹と、父親の祖父と祖母がいた。

祝日や休みでもない日に、祖父と祖母が家に来ることは珍しかった。
一体、どうしたのだろうかと不思議だった。

妹を見ると、まぶたが赤くなるほど泣いている。

「ここに座って」
母親が静かに言った。

竹中は、あきらかに様子が変だと感じた。






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