君だけに夢をもう一度　１５の心
「お父さんから説明して下さい」
母親が、悲痛な表情で祖父に頼んだ。

「よく聞くんだ・・・・・・」
祖父は、真顔になって孫に話した。

竹中の父親は以前から、胃の傷みがあり、そのため検査入院をしていた。
今日、その検査結果が出た。

母親は、医師から呼び出された。
医師から病名を末期の胃ガンだと告げられた。

父親は、長く生きられても一年だと医師から説明された。

そのことを祖父から聞かされた竹中は、信じられなかった。
あんなに強い父親が、あと一年しか生きられない。

父親の死の宣告は、竹中の心の中に重くのしかかった。
その時、失恋の傷手など消えていた。

竹中は、しばらく黙りこんだまま、言葉が出てこなかった。

妹が号泣した。
それと同時に母親も涙があふれ出てきて、止まることがなかった。
竹中も大粒の涙がこぼれ落ちた。

「それで・・・・・・おまえは、どっちの意見に賛成か聞きたいんだ」
再び、祖父が聞きにくいことを孫に尋ねた。









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