君だけに夢をもう一度 15の心
祖父が孫に聞きたいことは、本人に病名を告知するか、しないかのことだった。

母親と祖母は、告知せずに、そのまま好きに残りの人生を生きてもらいたいことを考えている。
祖父と妹は、告知をして病気と闘って少しでも長く生きてもらいたいことを考えていた。

意見が二つに割れている。
最終的に息子の竹中が、どちらかを選ぶかで決まることになった。

息子の竹中にとっては、酷な判断だった。

自分が父親と同じ立場になったら、どうだろうか。
竹中は、そう考えた。

もし、自分が病気になって長く生きられないとなったら、好きなことをして悔いなく過ごしたいと思うだろう。だが、何も知らずに死んでしまったら、好きなこともできずに後悔だけ残るかもしれない。

父親には、好きなビートルズの歌を思い切りギターで演奏してもらいたい。
それから、家族とも仲良く過ごしてもらいたい。

少しでも楽しい時間を過ごしたら、少しでも長く生きたいという気持ちになるかもしれない。そう思った瞬間、父親には病気と闘ってほしいという気持ちになった。竹中は告知をすることを望んだ。

家族は、父親に病気の告知をすることを決めた。












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