君だけに夢をもう一度 15の心
「正直、山本がここまで勉強でやれるとは思わなかった。よく頑張ったな。合格できているといいな」

クラス担任が泣くのを我慢しながら、笑顔で言った。

「高校に行ったら、思い切りサザンみたいな音楽やるんだったな? 」
「はい」

「頑張ってな」
と、言ってクラス担任は卒業証書を渡した。

「ありがとうございます」
正和は、卒業証書を受け取った。

もう、明日から、ここに来ることはない。
学校に来て、勉強をして家に帰る。
それだけのことだが、かけがえのない時間だったんだと思えた。

卒業証書を手にした時、嬉しさよりも寂しさを感じた。
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