君だけに夢をもう一度 15の心
「333番、あった! 」
正和より先に竹中が声を出した。

小田も正和に近寄った。
「やったね! 山本君」

正和は自分の受験番号が、提示板に書いてあった瞬間、信じられない気がした。
もう一度、確かめてみようとした時、二人が興奮して言い寄ってきた。

二人の喜んでいる表情を見た瞬間、自分も合格したんだと実感した。

「合格したんだ!! 」
正和は、二人と喜びを分かちあうように、その場ではしゃいだ。
そして、バンザイ三唱を繰り返した。

三人は、学校近くの公衆電話で、家族と担任に連絡をした。

正和の母親は、電話の向こうから涙ながらに喜ぶ声が聞こえてくる。
その声を聞くと、合格できたことが素直に嬉しく思えてきた。

母親が、勉強会のメンバーを家に呼んで御馳走したいと言い出した。
息子が、合格できたことのお礼をしたいということだった。

正和は、明日の午後、祝勝会をすることを二人に伝えた。
二人は、喜んで出席すると返事が返ってきた。














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