君だけに夢をもう一度 15の心
次の日。

正和の家で合格祝いが行われた。
竹中と小田が招待された。

居間の応接台には、正和の母親が用意した御馳走が置かれている。


「たぶん、その人は真紀子ちゃんのお父さんだろう」
小田がサンドイッチを手にして言った。

正和が、真紀子も誘ったが断られたことを説明した。
その時、高級車に乗った紳士のことを話した。

「中田のお父さんは、どんな仕事してるんだ? 」

運転手付きの高級車に乗っている姿は、だだ者ではないと正和は思った。

「よくわからないけど、どこかの社長さんらしい」
小田が答えた。

「中田って、ひょっとしたらお嬢様なのか! 」
竹中が、にぎり寿司を口の中で味わいながら、モゴモゴさせながら驚いた表情をした。

「両親は離婚しているから、お父さんとは一緒に住んではいないようだけど・・・・・・」

小田は、自分の母親から聞かされたこと以外は、真紀子のことは知らなかった。

「中田の母ちゃんは、中州でスナックをしているらしい。親父が言っていた」

竹中が付け足すように言う。

正和は、真紀子の家庭が複雑なことを知った。




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