君だけに夢をもう一度 15の心
正和が竹中の倉庫に出向くと、小田が先に来ていた。

小田は電子ピアノの前で演奏の練習をしている。

「おはよう」
小田が挨拶する。

「おはよう。竹中は? 」
正和は竹中がいないことを尋ねた。

「まだ、家の仕事を手伝っているみたいで、少し待っていてほしいって」
小田が譜面を見ながら答えた。

正和は、ギターケースからエレキギターを出して、チューニングを始めた。

「なぁ・・・・・・山本君? 」
「・・・・・・」

「ひとつ聞きたいことがあるんだ? 」
「何だ? 」

「どうして、あの時、僕にバンドをやろって誘ったの? 」
小田が以前から聞きたかったことを尋ねた。


「それは・・・・・・」
正和は少し間をおいて、
「それは、小田君も自分も同じだと思ったからだ」

「同じ・・・・・・? 」
小田が疑問に思った。




< 210 / 239 >

この作品をシェア

pagetop