君だけに夢をもう一度 15の心
正和が、演奏の間に観客に話しをすることになっている。

歌の曲名、メンバー紹介と、どの歌を歌った後に、どんなことを話そうかと決めていたが、バンド名だけが決まっていない。

バンド名を決めることを話しあったが、三人の意見がまとまらずに時間だけが過ぎた。

結局、明日の朝、コンサート前の最終リハーサル後に決めることにした。

「明日は何人ぐらい来るのかな? 」
チケットの管理をしている小田に正和が確認した。

「20人程だね」
小田が答えた。
観客は身内ばかりだった。

「ちょうど、ここに入いれるぐらいの人数だな」
竹中が倉庫の中を見渡して言った。

「よいよだな。そう思うと今夜は眠れそうもないな」
竹中が演奏の不安と緊張感を感じた。

「明日は、がんばるぞ! 」
「おう! 」
竹中の一言で、正和と小田も気をひきしめた。

帰り際、正和は、真紀子に渡すため、小田からチケットを一枚もらった。

正和は真紀子にチケットを渡すため家に向かった。

時計は午後8時を過ぎていた。






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