君だけに夢をもう一度 15の心
正和が真紀子の後を歩いている。

歩道の外灯から真紀子の後ろ姿が、どこか悲しく見える。

真紀子の足が止まった。

「どこまで来る気なの? 」
怒りが残っている様子で真紀子が聞いた。

「どこまでもだよ」
正和が、はっきり答えた。
いっもとは様子が違う真紀子のことが気になっていた。

「・・・・・・」
真紀子は何も言わない。

「いっもの中田じゃない。どうしたんだ? 」
正和が真紀子に近づいた。
真紀子の目が濡れている。


正和は、真紀子のことが、ほっとけなかった。

真紀子をひとりにさせたら、変な気を起こすかもしれない。
そんな雰囲気を感じた。

正和は、真紀子のそばにいようと思った。





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