君だけに夢をもう一度 15の心
真紀子との夜 ③
二人は、浜辺近くにある海の家にいた。
シーズンオフで建物は閉めきって誰もいない。
建物の前に、誰かが置いていったディレクターチェアが二つある。
二人は腰掛けた。
二人は黙ったままだった。
さざ波の音が聞こえてくる。
空を見上げると、まばらな星と月が輝いている。
月の光で砂浜が明るく見えた。
泣き崩れた後の真紀子は、もの静かに遠くの海を見つめているだけだった。
そのそばで、正和も海を見つめている。
正和は、いっも気が強く、プライドが高い彼女が弱い部分を見せて泣いたことが信じられなかった。
今、そばにいる彼女は別人のようだった。
正和は反省していた。
いっもの真紀子なら、自分が引き止めた時、反論して素直に家を出たことも話してくれると思った。
そうすれば、真紀子の話を聞いて家に帰れると思った。
しかし、泣き崩れたことによって、真紀子は自分の殻に閉じこもったような気がして、言葉さえかけれない。
正和の思惑は外れた。
シーズンオフで建物は閉めきって誰もいない。
建物の前に、誰かが置いていったディレクターチェアが二つある。
二人は腰掛けた。
二人は黙ったままだった。
さざ波の音が聞こえてくる。
空を見上げると、まばらな星と月が輝いている。
月の光で砂浜が明るく見えた。
泣き崩れた後の真紀子は、もの静かに遠くの海を見つめているだけだった。
そのそばで、正和も海を見つめている。
正和は、いっも気が強く、プライドが高い彼女が弱い部分を見せて泣いたことが信じられなかった。
今、そばにいる彼女は別人のようだった。
正和は反省していた。
いっもの真紀子なら、自分が引き止めた時、反論して素直に家を出たことも話してくれると思った。
そうすれば、真紀子の話を聞いて家に帰れると思った。
しかし、泣き崩れたことによって、真紀子は自分の殻に閉じこもったような気がして、言葉さえかけれない。
正和の思惑は外れた。