君だけに夢をもう一度 15の心
「お母さんに相談したら、ダメだって強く反対されたの。私の考えなんかも聞かないで・・・・・・」

「どうして、反対するんだ? 」

「お母さんの意地なのよ。お父さんの世話になりたくない」

「・・・・・・」

「それで、つい言っちゃた・・・・・・私、お母さんみたいな生き方をしたくないって・・・・・・」

「・・・・・・」

「酔っ払いの客に絡まれて、笑いながら客に機嫌をとって、それで、ひとりになったら泣いているの。時折、カラオケで歌ったりして、歌させあれば幸せな気分になれるなんて、自分をごまかして・・・・・・」

真紀子が、母親に対する思いをはき出すように言った。

正和は、真紀子が音楽を批判したことの意味がわかった。

真紀子は、音楽を批判しているんじゃない。
自分の母親のことを批判していた。







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