君だけに夢をもう一度 15の心
真紀子の携帯電話が鳴った。
着信音は、サザンの『愛と欲望の日々』だった。

真紀子が携帯電話を手にした。
電話は仕事の相手らしく、言葉使いがていねいだった。

「では、今から、そちらに伺います。夜の8時には行けるかと思います」
真紀子が電話の相手と約束をした。

「それじゃ、またね」
真紀子が正和に別れを告げて、慌ただしく歩き始めた。

「中田・・・・・・」
正和が呼び止めた。
真紀子が振り返った。

「何? 」
真紀子が尋ね返した。

「頑張ってな」
正和が言うと、真紀子が笑顔を見せて歩き始めた。









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