君だけに夢をもう一度　１５の心
「商業高校だと、女子生徒が多いからね」
と、竹中は言って、再びにや笑いをした。

竹中が希望した高校は、男子生徒より女子生徒が多い高校だった。

「男子生徒が少ないと、それだけでも女子生徒から注目される。でも、それだけではダメだ」

竹中が熱く語り始めた。

「やはり、何か魅力をつけなければならない。そのためのバンドなんだ」

「・・・・・・」

「俺は彼女がほしいんだ！　バンドこそが女性を魅了する手段なんだ！！」
強い意志で竹中は言った。

その一言で、竹中は女性にモテたくて、音楽をするのだということがわかった。

「同じ高校で、まさちゃんの歌と、自分のギターで、女性のハートを射止める音楽をやらないか？　」
竹中は、冗談でもなく真面目に尋ねてきた。

正和は、サザンのように、格好良く、泣かせる音楽ができて、女性にモテる。そのことに悪い気はしない。

「ちょっと、考えさせてほしい」
正和は、即答しなかった。








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