君だけに夢をもう一度 15の心
「まさちゃん、ごめんなさいね」
小田が正和に謝った。

「何を謝ってるんだ? 」
正和が尋ね返した。

二人は、マンションのエレベーター前にいた。

「さっき、客が言っていたこと・・・・・・」
小田は、言いにくい様子だった。

「いい人って、言ってたことか? 」 

正和は、いい人の意味がなんとなく理解できた。

小田の彼氏、恋人、といった意味だと思った。

客が冗談で言ったのか、それとも本気で聞いてきたのか。
だが、正和は別に気にしていなかった。

「あの子、別に悪気があって言ってるんじゃないの」
「別に気にしていないさ」
正和が、はっきりと答えた。

エレベーターが開いた。

二人がエレベーターの中に乗り込んだ。






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