君だけに夢をもう一度 15の心
「今度、『10ナンバーズからっと』っていうアルバムを聞きたいんだけど、貸してくれる?」
彼女が頼むと、
「うん。わかった」
と、竹中は迷うことなく返事をした。

「ありがとう」
彼女が嬉しそう言った。

「竹中君が、サザンのコンサートで泣いたのもわかる気がする 」
一瞬、彼女の言葉に竹中が正和の方を見た。

正和は、自分の体験談を竹中自身が体験したように彼女に話している。

竹中は、正和の前で体裁が悪く思ったのか、
「そろそろ、授業だから教室に行こう」
と、その場を逃げるようにして、彼女を休憩室から連れ出した。

竹中は彼女に気がある。
竹中の行動は、それを表していた。










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