君だけに夢をもう一度 15の心
正和は、小田のことを受験勉強していない生徒で、この塾に通う生徒だと思った。
だが、それは違っていた。

その日は試験の日だった。
夏の学習勉強の成果を試すものである。

1時間目は数学だった。

正和は、苦手の教科のため答えを答案用紙に書き込めない。

一瞬、横の小田の方を見た。
小田は、スムーズにペンを動かしている。

試験終了時間まで20分前になった。

解答が早くできた者は、答案用紙を提出して良かった。

小田は、席を立ち上がり、講師に答案用紙を渡した。

「もう一度、確認したら、どうだ? 」
講師が小田に言うと、
「いえ、大丈夫です」

小田は、あっさり答えて教室を出て行った。










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