君だけに夢をもう一度 15の心
午後の授業になった。

午前中の試験結果がわかった。

講師から生徒達に答案用紙が返された。

正和は、三科目とも半分ほどの出来だった。

なにげなく、小田の答案用紙を見ると目を疑った。

それぞれ三科目とも、満点に近い成績だった。

小田は、本当に理解して解答していたのだ。
しかも結果は満点。

正和は驚くと同時に疑問が生まれた。

試験で満点の小田が、なぜ、こんな落ちこぼれの教室にいるんだろう。
学力があるのに、どうして高校進学を拒んでいるのか。

考えれば考えるほど、小田という人物が不思議に思えた。

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