君だけに夢をもう一度 15の心
竹中は、しゃがみこんで両手で顔を隠した。

「・・・・・・・」
「・・・・・・・」

竹中が両手の隙間から、正和の顔を見た。

正和は立ったまま、右手にカセットテープを差し出している。

「え !? 」
竹中は驚きながら、無表情の正和を見つめた。

「これ、彼女に聞かせたいんだろう? 」
正和は、サザンの『10ナンバーズからっと』のカセットテープを持つている。

竹中がカセットテープを手にして、腰をぬかしたように座り込んだ。

「アハハハ・・・・・・・」
竹中の驚いたリアクションを見ながら、正和が大きな声で笑った。





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