君だけに夢をもう一度 15の心
「俺、中田は、ちょっと苦手だな」
正和が答えた。

竹中が言った女子生徒は、同じクラスメートだった。

「やっぱり無理だな・・・・・・」
竹中も納得したように言った。

彼女は、クラス委員で頭も良く、成績も学年でトップの女子生徒だった。
しかし、気が強いために、二人は苦手なタイプだった。

二人は黙りこんだ。

「そうだ、ひとりいる」
正和が思い出したように言った。

「誰だ? 」
「今日、塾で会った小田っていう生徒なんだけど」

「でも、どうかな・・・・・・」
正和が考えこんだ。

「でも、どうしたんだよ? 」
「あいつ、少し変なところがあるんだ」

「何が変なんだ? 」
「男で女ぽいところがあって、高校にも行きたくないのに試験は満点だった」

「満点。よし、そいつに決まりだ!! 」

満点の言葉に、竹中は小田のことを気にいった。












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