君だけに夢をもう一度 15の心
「まさちゃん、小田君は親切に教えてくれたかい? 」
塾の帰り道、小田が尋ねてきた。

「あぁ、数学のわからないところは、丁寧に教えてくれたよ」

「そうか、それは良かった」
竹中は安心した。

「どうやって、小田君を説得したんだ? 」

正和は、小田が素直に勉強を教えてくれたことが不思議に思えて、竹中に聞いてみた。

「それはだな・・・・・・」
竹中が言いにくそうだった。

「どうした・・・・・・? 」
正和は気になった。

「まさか、脅したりしたんじゃないだろうな!? 」

「そんなことしていないさ」
竹中が真面目に答えた。

「実は、ちょっとした取引をしたんだ」
「取引 !? 」
正和が興味深く尋ねた。






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