君だけに夢をもう一度 15の心
「竹中、起きろよ!! 」

英和辞典を片手に正和が、畳の上で眠り込んだ竹中を起こそうとした。

「そのままにしておいたら」
小田が、正和を引き止めた。

「でも、三人で勉強しているんだから寝るのは悪いだろう」

「彼は、ここでは、勉強していないフリをしているが、ひとりの時は、かなり勉強していると思う」
小田が竹中のことを分析したように言った。

「そうかな・・・・・・? 」
正和は疑問だった。

「たぶん、彼は、ひとりで勉強するほうが集中力がアップするタイプだろう。その証拠にテストの成績は、良くもなく、悪くもない。つねに平均点を維持している」

小田が言ったとおり、クラスでも竹中の成績は中間ぐらいで、良くもなく、悪くもない。

正和がそのことを思い出した。










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