君だけに夢をもう一度 15の心
二学期が始まって、正和はクラス担任から職員室に呼び出された。

この時期になると、教師は生徒に受験の希望校の確認をする。

「山本・・・・・・どうしたんだ!? 」
先日の試験結果を見て、教師は驚くように尋ねた。

クラス担任が驚くのも無理はなかった。
今までの正和では、信じられない成績だったからだ。

成績が上がれば、生徒に激励の一言でも言うのだが、この時は驚きのほうが強くて、言葉さえ出てこなかった。

正和が福岡商業高校の受験を告げる。

そのことを聞いたクラス担任は、希望した訳を聞く。

正和は、バンドをする目的で高校進学をすることを話すと、ふざけた動機だと思われるため、そのことは言わなかった。

正和は、しばらく黙りこんだまま答えなかった。






















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