もう一度名前を呼んでほしい
「今でも彼女の声や温もりを忘れられないんだ…。いつか、思い出に変わってしまうんじゃないか。記憶が薄れていくんじゃないか。と考えると怖くて夜も眠れない。」

「勝手だね…」

「えっ?」

「先生もその人も!散々人の気持ちを掻き乱して、挙げ句の果てには嵐の様に去って行っちゃうんだもん。」

いつの間にか号泣している自分がいた。

「嵐が去った後の土地は再起不能まで落ち込んじゃうんだよ……。勝手だよ……勝手………。」


何度も何度も先生の胸を叩いた。
< 23 / 101 >

この作品をシェア

pagetop