もう一度名前を呼んでほしい
「俺は彼女を守りきれなかった。大切な女1人守れないで、なにが幸せだよ……。」


「先生……。」

私はそっとでも強く先生を抱き締めた。

「遥架……」

「やめてよ…先生が私を名字で呼ぶと調子狂う。」


静かに笑った先生は優しく、甘い声で私の名前を囁いた。
「愛美。」
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