5センチ。



 「読みたいなら貸してあげるよ」



 本を閉じてクスッと笑いながら渡してきた。


 そんな男の子に私は



 「いぇ、私も本はあります」


 「そうなの?その割には読みたそうにしていたけど?」


 「そうですか?でも、私も持っているので…」



 そう言ってガサゴソと鞄の中を探った。


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