5センチ。



 電車の中に残る人は、冷たい目で私を見ていたと思う。


 だけど、今はそれどころじゃない!


 私はガックリ肩を落として額を扉にピトッと付けた。


 その瞬間ー…。


 ーープシュー。


 音を立てながら開く扉。



 「え…」



 額を扉に付けていた私。


 突然開くから私の体は前へと倒れて行くーー。


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