5センチ。



 今、触れると嫌われそうな気がする。


 陽菜の気持ちを知らない俺は“好き”も言えない意気地なしの男。


 ただ今は…陽菜の隣を歩けるこの関係を、壊したくないと思いながら電車に乗ったーー。


 電車に乗ればいつものあの笑顔。


 電車から降りれば、俺の横には陽菜がいる。


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