坂口美里とガルダスト


「わ、私の世界?」


 それでも、必死にこらえながら声を押し殺す。


「そう、きっと私の世界とは違って、夢と魔法が溢れる世界なんだろうな~。ペガサスとか龍とかが、世界を飛び交っていて。」


 えぇ、最初、私もこの世界に来たときはそう思っていましたよ。


「いや、まったくこちらの世界と一緒ですよ。道はアスファルトだし、自動車は走っているし、飛行機は空を飛ぶし、戦車と戦闘機は戦争するし・・・。」


 とりあえず、落ち着いてきたのか、敬語が戻ってくる。


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