坂口美里とガルダスト


「それじゃあ、行こうか。美里。」


 このヤロウ、兄貴の前だからって口調が変わりやがって。


「うん。分かった。」


 と、言ってもビデオ予約せずに、外に出るわけには行かない。


 大事なガルダストのビデオ予約をバカ兄貴なんかに任せられるものか。


 私は一度リビングに戻ると、リモコンを操作して、ガルダストのビデオ予約をして、その後一度部屋に戻って財布を持って戻ってくる。


 その間に兄貴は自分の部屋に戻ったが、隆だけは律儀に玄関先で待っていた。




「遅いよ。」


 隆の文句は一切無視。


「ガルダストがビデオ予約しているんだから仕方ないでしょ?いいから、行こうよ!」


 手ごろな運動靴に足を通して私たちは外に出た。


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