坂口美里とガルダスト


「どうやってって……。」


 私が、言葉に詰まっていると。


「証拠なんて、どこにもないわ。産業スパイがバレたら、それこそ罰せられるのは私たちの方よ。」


 確かにそうだ。


 スパイは当然違法であり、それがバレたら、責められるのはあのハゲ豚ではなく、むしろカオリたちの方だ。


「ガルダストを使うって言うのは?」


「無理よ。さっき言ったでしょ?動かせる機体がもうあまりないの。エネルギーの問題ね。」


「エネルギー?」


 その単語に私の頭に少しだけ引っかかるものがあった。


 もしかしたら、もしかするかもしれない。


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