坂口美里とガルダスト
1,ガルダスト
進路志望。
中学三年になると、一月に一度はそんな内容が書かれたプリントが渡されて、私たちの貴重な青春の時間を削られる。
正直、どんな高校だろうが私にとっては、あまり興味がない。
「あ~あ、ガルダストが作れる学校なんてあればいいのにな。」
ピンクが基調とされた部屋の中で、勉強机に腰掛けながら、私は飾り気のない真っ白な天井を見上げ、声を上げた。
何もない、円形の蛍光灯だけが部屋を照らす木製の天井。
当然、そんな場所を眺めたところで、答えなんて書いているはずもない。