坂口美里とガルダスト

「まぁまぁ、二人とも。」


 松本おじさんは、いつもの柔和な顔で私たちを制すると。


「御代は要らないよ。俺の発明品じゃないんだから。その代わり、大切に扱ってくれよ。そして、使い方なんだけど、確か、おばあさんが言うには、蛍光灯をさすりながら呪文を唱えると、その蛍光灯から不思議な光が溢れるとか、何とか。」


「ますます、胡散臭いな。それで、その呪文は?」


 隆の顔が怪訝の表情に変わる。


 それとは対照的に、私の好奇心センサーはマックスレベルだ。


 自分で自分の表情を見ることはできないから、わからないが、おそらく興奮で目が輝きはなっているだろう。


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