坂口美里とガルダスト

「さて!」


 隆が最初の交差点を右に回って見えなくなってから、気合を入れて家の中に入る。


「ただいま。」


 挨拶もそこそこに、駆け込むのは二階にある自分の部屋。


 リビングで、兄貴がソファーで横になってテレビを見ているのが見えた。


 あ、そうだ。後で、ビデオ予約したガルダストSFGを見なくては。


 でも、今はそれより……。


 私は、フリマで買ってきた荷物を広げて、真っ先に蛍光灯を手にする。


「さてさて、まずはやってみないとね。」


 蛍光灯を左手に持ち、右手でこする。


 瞬間、カチッとなる感覚があって、蛍光灯が薄水色にひかり出す。


 おそらくスイッチなのだろう。


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