坂口美里とガルダスト

「…………………………。」


 しばらく、沈黙の間が流れる。


 10秒経過。何も変化は起こらない。


 な~んだ、やっぱりここまでか。


 私が少しがっかりして、蛍光灯を床に落としてひざを着くと。


『パスワード照合確認。ゲートが開きます。危ないですので、白線の外側までお下がりください。』


 !?


 その声は、確実に蛍光灯から聞こえた。


「ウソ!ウソうそうそうそ!」


 一度、がっかりした分、興奮はその倍以上。


 過去、心臓がこれほど鼓動した経験があっただろうか?


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