坂口美里とガルダスト

「?……アナタ誰?」


 しかし、兄貴は私の顔を見ると、私の知っている兄貴とは似ても似つかない声……女の声を発した。


 どうやら、他人の空似だったらしい。


 しかし、この顔で女声でもまったく違和感が出てこない。兄貴、情けないぞ。


「え、あ、すいません。私の兄とよく似ていたもので。」


 とりあえず、頭を下げてあやまる。


 兄って、知り合いの『男』に似ているとは、女性に対してこれほど失礼な言葉もないような気がするが、そこは15歳と言う若気の至りということで許してもらおう。

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