坂口美里とガルダスト
「え、ええ。かまわないわよ。」
たじろくカオリさん。
それでも、やっぱり、その手は離さない。
「ありがとう!私、一度、異世界の料理ってものを食べてみたかったの!」
「異世界?」
再び、口が滑ったと思ったのは、カオリさんのこの言葉を聞いてから。
「え、あ、あの……。」
必死に言い訳を考えてみるが。
「もしかして、アナタ異世界から来たの?」
今度、声を張り上げたのは、カオリさんの方だった。
「え、えっと、まぁ……。」
どうせ信じないと思って、肯定してみた。
この後、どうせ『あなた、本当に大丈夫?』と続くと思ったのだが・・・。