坂口美里とガルダスト


「よぉ、美里。」


 玄関には普段と何の変わりない隆の姿が立っていた。


 短い身長に、ニキビだらけの顔。


 典型的な、生意気な15歳といわんばかりの顔。


 美男子と呼ぶには程遠い。


「こんにちは、隆。どうしたの?」


「丸の内公園で、フリマやっているぞ。行ってみないか?」


 丸の内公園とはここから、三キロほど南に行った小さな公園。


 毎月、二度フリーマーケットが行われていて、今日がその日らしい。


 そういえば毎月その日は、二人のデートの日だったっけ。




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