Butterfly Kiss
優衣がよろめきながら、俺を追って来るのが見えた。
いつの間にか歩幅合わせるの忘れてたらしい。
やっと追いついてきて「もー早いよ!」
なんて、これまた上目遣いでカワイく言うから。
ドキドキもするし、段々抱きしめたくなってきちゃったじゃん。
…とは言えないので。
ぶっきら棒に手を差し出して
「んっ」
ってやったら、
優衣は何が何だか分からないって顔をして
「えっ?」
って言ったまま硬直。
「優衣このままだとコケるだろ?」
なんてカッコつけて勝手に手なんて握ってみたら。
なんかドキドキもするんだけど、優衣の体温に妙に安心した。
そのまま屋台でかき氷、たこ焼き、綿あめを買って
奥にある境内の階段に向かった。