雲間のレゾンデートル
 改めて大原君=カッコ良いって公式が出来上がってしまうと最後にお別れのキスくらいしといた方が良かったかも、なんて不純な気持ちが湧いて出てくる。

 でもそんなことしちゃったら余計に別れられなくなっちゃうか。


 …あー、このまま考えてるとなんだか駄目っぽい気持ちになりそう。


「…そーいえばさ、隆ちゃんは何であたしの事見つけれたの?」


 あたしは気持ちを切り替えようとちょっと疑問になってた事を口にしてみた。


 さっきまで歩いてた道は家の方角とは全く違うし、通学路にしてる道でもない。

 GPSでも付けられてるのかなー?って思ったから。


 そんな予想とは裏腹に隆ちゃんはバックミラー越しに視線をよこして嬉しそうに口端を上げ笑いながら言った。
< 23 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop