雲間のレゾンデートル
「そりゃあいつもの時間にお戻りになられないですし、お嬢がぶらっと出歩かれるならこの辺りかなぁと」

「そっかー」

「それにお嬢は真咲お嬢さんそっくりですしね」


 だからすぐに分かります、と隆ちゃんは言いながら胸ポケットに差しこんでたサングラスを取り出してかけた。


 元々、隆ちゃんがうちの家に出入りし始めたのも真咲お嬢さん、…つまりあたしのおかーさんに一目惚れしたから…だもんね。


 おかーさんの事、今でも好きなんだなぁ。


 なんだか間接的に告白を聞いちゃったようで胸の奥がキュっとなった。

 あれ、なんでこんな気持ちになっちゃうんだろう?
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