雲間のレゾンデートル
「そりゃあ隆ちゃんも『そっくり』って言うよねー」


 写真の中のおかーさんを見てあたしは心底そう思った。


 髪の毛は程好く茶色でふんわりしたカール。パッチリした二重の瞼。

 全くあたしと同じ。


 たぶんあたしがハタチぐらいになったらこんな感じになるんだろうなーって思えるような未来予想図みたいなおかーさんだ。 


 「あたし『と』同じ、じゃなくあたし『が』同じなんだけどね」


 繋げる一文字が違うだけで全く意味が違う。

 言葉としてでなく『存在としての意味』も。
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