雲間のレゾンデートル

「あ、あのごめん、堤さん…オレ――」

「あーあ！やっぱ飽きちゃった！」


　意を決して言ったんだろうなぁって言葉をあたしはノーテンキな声でかき消す。

　かき消した声があまりにも明るいもんだったから大原君はビックリしたようで目を大きく見開いてあたしを見つめた。


「ごめんねー付き合わせて。ほらあたし飽き性でさぁ。やっぱ付き合うの今日までにしよ？」　

「ええ！？」


　さらに大きく目を見開く大原君に向ってあたしは両手を合わせた。

　そしてちょっと困った顔２：笑顔８のブレンドした表情を精一杯作ってみせる。