しずめの遭難日記
食料を持って帰ると約束したおりんの家族はどうなったか?おりんが帰ってこなかったので、みんな餓死してしまったの。いつまで待っても帰って来ないおりんを家族は呪った。おりんは死後も、家族の霊に呪われ、成仏できずに食料を求めて森の中を彷徨っているんですって。それはヒタヒタ…と、水に濡れたような足音で、深い霧が発生した時に聞こえてくる。そんな話を思い出していたら、いつしか、大きな池の所まで来てしまった。不思議な事に、池の回りだけ霧が綺麗に晴れている、どうしてだろう?と池に近づいてみると、何やら黒い物が水面に浮いているのが見えた。遠目ではよく分からなかったので、池に近づいて水面に手を入れ、水中をさらってみる。すると何か黒い糸の様な物がたくさん手にまとわりついてきた。男がその糸の様な物を引き上げると、そこから骨と皮だけになった女の顔がぬぅっと…………」