しずめの遭難日記
女はさも面白い話のように私に語りかけてきたが、私からするとそれはそんなに面白い話ではなかった。
まったく、いくら初めてだからって、子供みたいにはしゃいじゃって…。恥らいってのがないのかしらね!
休憩も終わり、私達はまた歩き始めた。今日は天候も良く、目的の場所まではすぐに辿り着く事ができた。私達はここにテントを張り、二日間キャンプをして下山する予定だ。
「ここなら明日の朝は良い写真が撮れそうだな」
父は朝焼けの美しい雪山の写真を撮るんだと張り切っている。これまでにも雪山の写真を何度も見せて貰ったが、今回は私も挑戦してみるつもりだ。
丁度、日も沈みかけた夕方頃、私達はテントを張り出した。父の話では、夕方になって気温が寒くなってきてからの方が雪が固まり、テントを立てやすいのだという。それから、回りから綺麗そうな雪を集め、バーナーで解かして飲料水と食事用の水を作る。父は解かした雪の水を沸かし、コーヒーを入れた。私はコーヒーは苦くてあまり好きではないが、只の水だけで飲むのは味気ないので、砂糖とミルクをたっぷり入れたコーヒーを飲んだ。
テントの中は意外に広いものだが、それでもやはり三人いるとせせこましい。昔、母と一緒にこのテントで過ごした時は、そんなに狭いとは思わなかったのに…。やはり、他人が混じってるからかな?父にその事を話したら、父は笑いながら、「それは、しずめがその時よりも大きくなったからだよ」と言った。
雪山でのキャンプは退屈だ。雪山に限らず、野外での夜は、電化製品が一切使えないため、暇なのでテレビを見るというような時間潰しもできない。勿論、それこそが野外でキャンプをする意義の一つでもあるのだが、この狭いテント内で、嫌いな人間と一緒にいるというのは苦痛なものである。
まったく、いくら初めてだからって、子供みたいにはしゃいじゃって…。恥らいってのがないのかしらね!
休憩も終わり、私達はまた歩き始めた。今日は天候も良く、目的の場所まではすぐに辿り着く事ができた。私達はここにテントを張り、二日間キャンプをして下山する予定だ。
「ここなら明日の朝は良い写真が撮れそうだな」
父は朝焼けの美しい雪山の写真を撮るんだと張り切っている。これまでにも雪山の写真を何度も見せて貰ったが、今回は私も挑戦してみるつもりだ。
丁度、日も沈みかけた夕方頃、私達はテントを張り出した。父の話では、夕方になって気温が寒くなってきてからの方が雪が固まり、テントを立てやすいのだという。それから、回りから綺麗そうな雪を集め、バーナーで解かして飲料水と食事用の水を作る。父は解かした雪の水を沸かし、コーヒーを入れた。私はコーヒーは苦くてあまり好きではないが、只の水だけで飲むのは味気ないので、砂糖とミルクをたっぷり入れたコーヒーを飲んだ。
テントの中は意外に広いものだが、それでもやはり三人いるとせせこましい。昔、母と一緒にこのテントで過ごした時は、そんなに狭いとは思わなかったのに…。やはり、他人が混じってるからかな?父にその事を話したら、父は笑いながら、「それは、しずめがその時よりも大きくなったからだよ」と言った。
雪山でのキャンプは退屈だ。雪山に限らず、野外での夜は、電化製品が一切使えないため、暇なのでテレビを見るというような時間潰しもできない。勿論、それこそが野外でキャンプをする意義の一つでもあるのだが、この狭いテント内で、嫌いな人間と一緒にいるというのは苦痛なものである。