しずめの遭難日記
「でも、私にだって星座の名前くらいはわかるんですよ。……えっと、あれがオリオンで………あれが北斗七星でしょ?………あれが………サソリ座………かな?」
女は指で星をなぞっていくと、あまりにもポピュラーな星座の名前を口走った。
「もう!適当な事言わないで!オリオンは合ってるけど、あれは小熊座、で、真ん中の明るい星は北極星!そこを境にカシオペア座、ペガサス座、山羊座に化けクジラ座…。だいたい、冬に蠍座なんて見えるわけないでしょう?」
私が、あまりにも適当な事を言う女に腹を立てて星座の並びを教えると、女はさも凄いものを見るかのような目で私を見つめてくる。
「しずめちゃん、凄い!将来は天文博士かなにかになれるんじゃない?いえ、この際NASAに就職して宇宙船のパイロット?TVとかに出るようになったら私どうしましょう?」
女は勝手な事を言って私の手を取ってはしゃぐと、「ではあの星は?」と、私に星座の講釈を求めてくる。
私は怒るというより呆れてしまって、この馬鹿な女に母から教わった星座の話をおなさけでしてやる事にした。
「………えっと、じゃ、あの星は?あの星には特別なお話とかあるんですか?」
私が気紛れに話をしてやった事を良いことに、女は次から次へと星座についての話を私に求めてくる。おかげで私は小一時間も女に付き合って星座の話をする事になった。星についてこんなに長い時間話したのは母と話した以来だ。最後にはさすがの私も女にあきれ果てつい余計な事まで口走ってしまった。
「…もう、そんなに星に興味あるなら、私の星座の本貸してあげるから。物覚えの悪い神楽さんでも10回くらい読み返せば覚えられるんじゃない?」
女は指で星をなぞっていくと、あまりにもポピュラーな星座の名前を口走った。
「もう!適当な事言わないで!オリオンは合ってるけど、あれは小熊座、で、真ん中の明るい星は北極星!そこを境にカシオペア座、ペガサス座、山羊座に化けクジラ座…。だいたい、冬に蠍座なんて見えるわけないでしょう?」
私が、あまりにも適当な事を言う女に腹を立てて星座の並びを教えると、女はさも凄いものを見るかのような目で私を見つめてくる。
「しずめちゃん、凄い!将来は天文博士かなにかになれるんじゃない?いえ、この際NASAに就職して宇宙船のパイロット?TVとかに出るようになったら私どうしましょう?」
女は勝手な事を言って私の手を取ってはしゃぐと、「ではあの星は?」と、私に星座の講釈を求めてくる。
私は怒るというより呆れてしまって、この馬鹿な女に母から教わった星座の話をおなさけでしてやる事にした。
「………えっと、じゃ、あの星は?あの星には特別なお話とかあるんですか?」
私が気紛れに話をしてやった事を良いことに、女は次から次へと星座についての話を私に求めてくる。おかげで私は小一時間も女に付き合って星座の話をする事になった。星についてこんなに長い時間話したのは母と話した以来だ。最後にはさすがの私も女にあきれ果てつい余計な事まで口走ってしまった。
「…もう、そんなに星に興味あるなら、私の星座の本貸してあげるから。物覚えの悪い神楽さんでも10回くらい読み返せば覚えられるんじゃない?」