しずめの遭難日記
「…そう。それは怖い夢だったわね」
違う!
私はその声に驚いて、思わず目を開けた。見ると、そこには私の顔を覗き込んでいる女の姿が、私の視界いっぱいに広がっていた。
「しずめちゃん、起きた見たいですよ」
女は私が目を覚ますと、嬉しそうに笑顔を作り、後ろを振り返って私が目を覚ました事を誰かに報告した。
「………そうか」
それは、外の景色をじっと見つめている父だった。
父は難しい表情を私に向けると、「フゥ」と深いため息をついた。
気がつくと、私は、回りを石の壁で覆われた洞窟のような場所に横になっていた。
「…あれほど、勝手な行動はとるなといっただろ?」
父は怒っているのか、ひどく低い声で唸るように呟いた。
「鍛治さん…」
父が更に何かを私に言おうとすると、女が首だけ振って父を制止した。
「しずめちゃんは雪屁に足を踏み入れて、崖から落ちちゃったの。でも、しずめちゃんが無事でよかった。元々、崖と言っても大した深さがなかったしね」
女の説明で、私は何とか自分の身に起きた事を整理する事が出来た。私は雷鳥を見つけ、もっと近くで見ようと思い、危険な雪屁に足を踏み入れて転落してしまったのだろう。それにしても、何故私はこんな所で寝ているのだろう?
私の疑問が表情に出ていたのか、父は私の側に寄ってくると、重くため息をついた。
「やっぱり吹雪いてきたな。明日にはおさまってくれるといいが…………」
父がそう言うので、私は起きあがり、先ほどまで父が睨み付けていた外の景色に目をやった。
外は、白い雪が吹きつけていて、遠くの景色が見えくなっていた。
違う!
私はその声に驚いて、思わず目を開けた。見ると、そこには私の顔を覗き込んでいる女の姿が、私の視界いっぱいに広がっていた。
「しずめちゃん、起きた見たいですよ」
女は私が目を覚ますと、嬉しそうに笑顔を作り、後ろを振り返って私が目を覚ました事を誰かに報告した。
「………そうか」
それは、外の景色をじっと見つめている父だった。
父は難しい表情を私に向けると、「フゥ」と深いため息をついた。
気がつくと、私は、回りを石の壁で覆われた洞窟のような場所に横になっていた。
「…あれほど、勝手な行動はとるなといっただろ?」
父は怒っているのか、ひどく低い声で唸るように呟いた。
「鍛治さん…」
父が更に何かを私に言おうとすると、女が首だけ振って父を制止した。
「しずめちゃんは雪屁に足を踏み入れて、崖から落ちちゃったの。でも、しずめちゃんが無事でよかった。元々、崖と言っても大した深さがなかったしね」
女の説明で、私は何とか自分の身に起きた事を整理する事が出来た。私は雷鳥を見つけ、もっと近くで見ようと思い、危険な雪屁に足を踏み入れて転落してしまったのだろう。それにしても、何故私はこんな所で寝ているのだろう?
私の疑問が表情に出ていたのか、父は私の側に寄ってくると、重くため息をついた。
「やっぱり吹雪いてきたな。明日にはおさまってくれるといいが…………」
父がそう言うので、私は起きあがり、先ほどまで父が睨み付けていた外の景色に目をやった。
外は、白い雪が吹きつけていて、遠くの景色が見えくなっていた。