しずめの遭難日記
少し嫌味ともとれる神楽さんの返答に、私は思わず閉口した。
私が閉口していると、神楽さんはまたリュックの中身をゴソゴソをやり始めた。
私はしばらく、そんな神楽さんの後ろ姿を見つめていた。すると、神楽さんはリュックの中を綺麗に整頓すると、テーブル代わりにしている岩の上に、残りの食料を全部広げた。岩のテーブルの上に広げられた食料は、非常用のビスケットが2枚、チョコレートの欠片が3つ、コンデンスミルクの入ったスティックが一袋…それだけだった。
神楽さんは、広げた食料を見つめ、悪戯っぽく首をすくめると、不意に防寒着を着込みだした。
「ちょ、ちょっと神楽さん何してるのッ!」
私が叫び声を上げると、神楽さんは笑顔のまま私にこう言った。
「もう、食料はこれだけです。二人で食べたら今日分で終わってしまいますね。きっと鍛治さんが助けを呼んできてくれるとは思いますけど、これでは鍛治さんが助けに来てくれるまでに二人ともミイラみたいになっちゃいます。だから、ちょっと食料を調達に行ってみようかと…」
私は神楽さんの言葉に耳を疑った。外は一寸先も見えない程の猛吹雪なのだ。この状況下で外に食料を探しに行くなど自殺行為も良いところだ。
「そんなのダメ!絶対にダメ!今外なんか出たら神楽さん死んじゃうよ!」
私は必死に止めたが、神楽さんはそんな私を困った表情で見つめる。
私が閉口していると、神楽さんはまたリュックの中身をゴソゴソをやり始めた。
私はしばらく、そんな神楽さんの後ろ姿を見つめていた。すると、神楽さんはリュックの中を綺麗に整頓すると、テーブル代わりにしている岩の上に、残りの食料を全部広げた。岩のテーブルの上に広げられた食料は、非常用のビスケットが2枚、チョコレートの欠片が3つ、コンデンスミルクの入ったスティックが一袋…それだけだった。
神楽さんは、広げた食料を見つめ、悪戯っぽく首をすくめると、不意に防寒着を着込みだした。
「ちょ、ちょっと神楽さん何してるのッ!」
私が叫び声を上げると、神楽さんは笑顔のまま私にこう言った。
「もう、食料はこれだけです。二人で食べたら今日分で終わってしまいますね。きっと鍛治さんが助けを呼んできてくれるとは思いますけど、これでは鍛治さんが助けに来てくれるまでに二人ともミイラみたいになっちゃいます。だから、ちょっと食料を調達に行ってみようかと…」
私は神楽さんの言葉に耳を疑った。外は一寸先も見えない程の猛吹雪なのだ。この状況下で外に食料を探しに行くなど自殺行為も良いところだ。
「そんなのダメ!絶対にダメ!今外なんか出たら神楽さん死んじゃうよ!」
私は必死に止めたが、神楽さんはそんな私を困った表情で見つめる。