しずめの遭難日記
「…でも、食べ物がなければ、ここで飢え死にしてしまいます。外に行けば、もしかしたら何か見つかるかもしれない。このまましずめちゃんを飢え死にさせることになったら、私は天国にいる舞さんに何と言って謝ればいいのか…。いいえ、謝るだなんて生やさしいものでは済みません。100回くらい地獄に落とされてもまだ足りないくらいです」
神楽さんは冗談みたいにそう言うと、防寒着のファスナーをしっかり締め、凍てつく吹雪の吹き荒れる外へと向かっていく。
私は何としても神楽さんを止めなければと思った。おそらく、神楽さんは死ぬつもりなのだ。神楽さんは食料を探しに行くと言っているが、常識的に考えても、この猛吹雪の中、食料が見つかるわけがない。しかし、神楽さんが言う通り、残りの食料がほとんどないのは事実だ。でも、二人より一人の方が、少しは長持ちする。神楽さんはそう考えたに違いない。
「行っちゃダメ!お母さん!」
その瞬間、私自身、何を口走ったか理解できなかった。その思いは神楽さんも同じだったらしく、外に出かかっていた神楽さんの動きが止まる。
「しずめちゃん………今、なんて………?」
信じられない様子で、神楽さんは再び私に問い返す。
「『お母さん』って言ったのよ!私を一人にしないで!どこへも行かないでよ!」
神楽さんを止めるには、もう、これしか方法がないと思った。
私は神楽さんにしがみつき、外へと向かっていく神楽さんを必死に止めた。
「行かないで!私を一人にしないで!そうしたら、何度でも呼んで上げるから!」
私は泣いていた。必死に神楽さんにしがみつき、「私を一人にしないで」と叫び続けた。
神楽さんは冗談みたいにそう言うと、防寒着のファスナーをしっかり締め、凍てつく吹雪の吹き荒れる外へと向かっていく。
私は何としても神楽さんを止めなければと思った。おそらく、神楽さんは死ぬつもりなのだ。神楽さんは食料を探しに行くと言っているが、常識的に考えても、この猛吹雪の中、食料が見つかるわけがない。しかし、神楽さんが言う通り、残りの食料がほとんどないのは事実だ。でも、二人より一人の方が、少しは長持ちする。神楽さんはそう考えたに違いない。
「行っちゃダメ!お母さん!」
その瞬間、私自身、何を口走ったか理解できなかった。その思いは神楽さんも同じだったらしく、外に出かかっていた神楽さんの動きが止まる。
「しずめちゃん………今、なんて………?」
信じられない様子で、神楽さんは再び私に問い返す。
「『お母さん』って言ったのよ!私を一人にしないで!どこへも行かないでよ!」
神楽さんを止めるには、もう、これしか方法がないと思った。
私は神楽さんにしがみつき、外へと向かっていく神楽さんを必死に止めた。
「行かないで!私を一人にしないで!そうしたら、何度でも呼んで上げるから!」
私は泣いていた。必死に神楽さんにしがみつき、「私を一人にしないで」と叫び続けた。