スカイブルーの空の下
教室の手前で横に瑛斗が並ぶ。
「……美愛」
少し低めの声で、名前を呼ばれ、胸を掴まれたみたいにキュッとなる。
一度だけ瑛斗の顔を見て、教室へ入った。
1限はHRだったらしく、少し教室がざわついていた。
「橘、酒井~。これ書いて提出な」
先生からプリントを受け取り目を通すと、「進路調査書」だった。
あぁ…、もう3年だから進路決めか。
進路なんて考えたこともなかった。
今の成績とか、出席日数じゃ卒業も危ういっていうのに……
筆箱からシャーペンを取り出し、『進学の予定はない』と書き込んで提出した。