スカイブルーの空の下




教室の手前で横に瑛斗が並ぶ。




「……美愛」




少し低めの声で、名前を呼ばれ、胸を掴まれたみたいにキュッとなる。




一度だけ瑛斗の顔を見て、教室へ入った。




1限はHRだったらしく、少し教室がざわついていた。




「橘、酒井~。これ書いて提出な」



先生からプリントを受け取り目を通すと、「進路調査書」だった。




あぁ…、もう3年だから進路決めか。
進路なんて考えたこともなかった。



今の成績とか、出席日数じゃ卒業も危ういっていうのに……




筆箱からシャーペンを取り出し、『進学の予定はない』と書き込んで提出した。



< 140 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop