君だけに送るエール【短編】
なんか、込み上げてきた。


もやもやした…それは、不快感。



「…いっちゃ」
「お、俺は…諱花に笑って欲しいんだよ…」


口を開いた私だが、震える声で声を発した俊介に思わずそちらに意識が行く。

泣き出しそうな顔の俊介は、挙動不審に足元で目を動かしていたが、堪らなくなったように長谷部に視線を上げ、訴えるように声を上げた。















「好きな子に…っ…笑って欲しいって思って…頑張ってるだけなんだよっっ!!」














………………





え、







「え、」


私の声に反応して我に返った俊介が、


「…あっ」


私を見て見る間に真っ赤になって、


「ええぇっっ!?」




逃げた。
< 17 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop